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リペアツールキット
謝罪の3つの強さ、5段階のリペアシーケンス、そして信頼が元より強く戻るかどうかを決める伝え方のルール。海外の同僚と働く日本のマネージャー向けワークショップから生まれたものです。
リペアとは、仕事の場で起きたずれを認め、その場面に合った強さで謝り、次にどうするかを示す一連の行為です。文化をまたぐ場面では、きれいなリペアがずれの前より強い信頼を残すことがよくあります。私たちはこれを、リペアこそが関係そのものだと呼んでいます。
ずれは必ず起きます。仕事の進め方が違う相手と組めば、見えないルールが見えないうちに、誰でも一度は踏みます。評価を決めるのは、そのあとの48時間です。
自分のずれは自分からは見えにくく、それは数字にも出ています。国際チームを対象とした大規模な調査では、相手のコミュニケーションが攻撃的だと感じられることが信頼低下の最も強い予測因子で、そう受け取られている本人はほとんど気づいていませんでした。文化をまたぐと、直接すぎると読まれることも、曖昧すぎて逃げていると読まれることもあります。
リペアが必要になりやすいずれ
私たちがコーチングで扱うリペアの大半は、6つのパターンで説明がつきます。今週このどれかが起きたなら、このページの続きがあなたの次の1時間です。
会議での沈黙
懸念を持ったまま黙っていて、相手はそれを同意として記録しました。あとから出した反対は、遅れてきた蒸し返しとして扱われます。
曖昧な断り
「検討します」で断ったつもりが、相手は返事を待ち続けました。私たちが研修したあるマネージャーはこれで相手を3週間待たせ、修復に数か月かかりました。
返信が止まる
社内調整のあいだ返信を止めました。相手には、無視されたか案件が死んだ合図に見えます。
決裁の見えなさ
「上司に確認します」を繰り返した結果、相手は誰と話せば前に進むのか分からなくなりました。
過剰な謝罪
小さな行き違いに深く謝りすぎて、相手は重大な問題が起きたと受け取りました。責任の所在まで曖昧になります。
人前での指摘を避けた
相手の面目を守るつもりで指摘を控え、問題がそのまま本番まで残りました。相手には、知っていて言わなかったと見えます。
謝罪の3つの強さ
日本語に謝罪の言葉が何段階もあるように、英語にも強さの段階があります。選び方を間違えると、伝わる内容が変わります。必要なのはこの3つで、下の判定ツールが場面に合うものを教えてくれます。
Sorry about that.
「すみません」に相当日常の小さな摩擦
返信が少し遅れた、時間を押した、話をさえぎった。その場で軽く言って、そのまま先に進みます。日本語の「すみません」の感覚をそのまま重い英語に置き換えると、相手は何か大きな問題が起きたと考えます。
I apologize for the delay on this.
「申し訳ありません」に相当実害が出たとき
相手の予定が崩れた、やり直しが発生した、社外に影響が出た。何について謝っているのかを必ず名指しします。for に続く言葉がない I apologize は、英語では形式的な定型句として流されます。
That was my mistake. Here is what I am doing about it.
「申し訳ございません」に相当信頼や面目を損なったとき
責任を引き受け、次の行動まで一続きで示す言い方です。ローコンテクストの相手は、謝罪の重さを言葉の丁寧さではなく、責任を認めた度合いと具体的な次の行動で測ります。何度も頭を下げるより、一度はっきり認めて動くほうが伝わります。
判定ツール
この場面には、どの強さが必要ですか
そのずれはどこで起きましたか
どの程度の影響が出ましたか
日常の摩擦は、返信の遅れ、小さな依頼、少しの行き違いです。実害とは、予定が崩れた、やり直しが発生した、面目を失わせた、あるいは顧客に見えてしまった場合を指します。
この場面の強さ
Sorry about that. 「すみません」に相当
早めに、軽く伝えて先に進みます。小さな摩擦に5段階のシーケンスは要りません。一言と、実際に直すことだけで十分です。
この場面の強さ
I am really sorry. 「ごめんなさい」に相当
親しい相手のための、温度のある言い方です。仕事の関係にも影響が及んでいるなら、そちら側は上の2つのどちらかで別に修復してください。
この場面の強さ
That was my mistake. 「申し訳ございません」に相当
ここは省略できません。下の5段階のシーケンスを、24時間から48時間以内に、対面またはビデオ通話で伝えてください。
5段階のリペアシーケンス
順番に意味があります。前の段階が、次の段階を言う資格をつくるからです。下の例文は、ひとつの具体的なずれを修復するものです。会議では黙っていて、そのあとで反対した場面です。
- 01
起きたことを認める
「先週の会議では懸念を口にせず、そのあとで計画に反対しました」
何が起きたかだけを、そのまま言います。背景も、事情も、仕方がなかったという説明も入れません。
- 02
相手への影響を名指しする
「決まったはずの話をやり直させてしまい、チームの時間を使わせました」
相手にとって何が起きたのかを示します。自分がなぜそうしたかより、こちらのほうがずっと重く扱われます。
- 03
適切な強さで謝る
「I apologize for that. 会議の場でお伝えするべきでした」
強さの選び方がここでの本体です。迷ったら上の判定ツールを使ってください。英語では、何について謝っているのかを必ず言葉にします。
- 04
次にどうするかを述べる
「今後は、懸念があれば会議の前に書面で共有します」
行動が変わらないリペアは演技になり、相手にはすぐ伝わります。
- 05
相手の対応に礼を言う
「進め方の違いに付き合っていただいて助かっています」
感謝で閉じることで、相手が払っている労力を認めたことになります。
「日本ではこういう進め方なので」で終わらせない
この一言は、ルールの外に置いてほしいという要求として届きます。「まだ進め方をすり合わせている最中です。どう伝えればよかったか教えてください」は学ぶ姿勢の表明です。片方は免除を求め、もう片方は指導を求めていて、信頼が戻るのは後者だけです。
文化をまたいで修復できる人は、ひとつの文化の中だけで働いてきた人より速く信頼されます。
届かせる
伝え方のルール
- 1.
対面で伝えます。顔を合わせることで、この謝罪に手間をかけたことが伝わり、その手間が本気だという証拠になります。距離があるならビデオ通話が最低ラインです。
- 2.
24時間から48時間以内に。気づいたことが伝わる速さで、かつ動揺したままではなく落ち着いて話せるだけの時間があります。
- 3.
口頭で伝えたあと、短い書面を残します。ローコンテクストの相手は記録を重視するため、何も書き残さないと話が流れたと受け取られます。チャットの一行だけで済ませたものは、どちらの文化でも謝罪になりません。
小さな摩擦は別です。その場で軽く一言伝えて、そのまま先に進むのが正解です。
よくある質問
海外の同僚に謝るとき、どう伝えればいいですか
場面に合った強さを選んでから、5つの手順を順番に踏みます。起きたことを認める、相手への影響を名指しする、適切な強さで謝る、次にどうするかを述べる、相手の対応に礼を言う。24時間から48時間以内に、対面またはビデオ通話で伝えてください。
英語で謝るとき、強さはどう選びますか
3段階で考えます。日常の摩擦には Sorry about that、実害が出たときは I apologize for に何について謝るかを続けた言い方、信頼や面目を損なったときは That was my mistake と責任を認めてから次の行動を示す言い方です。ローコンテクストの相手は、丁寧さの度合いではなく責任を認めた度合いで謝罪の重さを測ります。
メールやチャットで謝ってもいいですか
本格的なリペアは対面かビデオ通話で行い、チャットだけで済ませません。短いメッセージで面談を依頼するのは適切です。話したあとに要点を短い書面で残すことは、記録を重視する相手には歓迎されます。日常の小さな摩擦であれば、その場の一言で十分です。
「日本ではこういう進め方なので」と説明してもいいですか
説明としては有効ですが、言い訳としては逆効果です。文化を理由にすると、ルールの外に置いてほしいという要求に聞こえます。「まだ進め方をすり合わせている最中なので、どう伝えればよかったか教えてください」に置き換えると、学ぶ姿勢の表明になり、信頼が戻ります。
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丁寧なノーのデコーダー
「それはちょっと難しいですね」が相手にどう届いているか。修復が必要になる前に読むページです。
コース:Working With Japan
海外の同僚が日本の進め方をどう学んでいるかの全体像。7つのパートで構成され、リペアの回もあります。
実際の相手に、実際の謝罪を準備しているところですか。Peak Potentialでは、こうした具体的な会話をエグゼクティブと一緒に組み立てています。 私たちの進め方を見る、または メールでご相談ください。
このツールキットについて
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